前回、年末の記事の最後でちょろっと触れたFLOが、実は本国UKのネクストブレイクの筆頭となっているらしく、今「来ている」っぽいぞ!なんと!
ということで、2023年ブリット・アワードの<ライジング・スター賞>を受賞し、BBCが発表する<Sound Of>2023の首位に輝いたことを勝手に記念して、大好きなガールズR&Bについてとにかくいいよねこれ!っていうだけの特集です!
FLO、もうR&Bが好きな人はぜひ一聴してほしいのですが、1990〜2000年代の正統派R&Bの流れを汲んだ、どこか懐かしさを感じる楽曲やサウンドに、美しいハーモニーを乗せて聴かせてくれるグループです。年末に「Losing You」を聴いてめっちゃいいな!となり、その後聴いた1stEP「The Lead」も全曲本当に素晴らしくて。
SNSで大人気だったらしい「Cardboard Box」は、キャッチーでありながらも後ろノリのリズムが心地よい。
あと「Not My Job」なんかはほんと90〜00年代っぽい。もっと言うとデスチャ感じる。
この感じ、アラフォーの私のような世代には懐かしいんだけど、それより下の世代には果たして響くんだろうか?って思ったんだよね。これNewJeansの時も思ったんだけど。でもこの感じが逆に若い世代にとっては「新しい」となったのかもしれないなー。
USのブラックフィーリングが、UKの3人の女性たちへ
で、Spotifyにあるアーティストプレイリストがすごく興味深くて。メンバー一人一人のもあるんだけど、恐らく、FLOを聴いてR&Bやコーラスグループに興味を持ったリスナーに向けて、もっとこんな曲も聴いてみて!というような意図が感じられる「#RnBVibes」というプレイリストもある。この内容が興味深かった。
「#RnBVibes」を見るとやっぱり、というか当然ながら、影響を受けているのはTLCやSWV、デスチャなどで。完全にUSのグループからなんだよね。他にBrownstoneとか702とかも。コーラスグループ、という意味ではSWVやデスチャの影響が特に大きいのかもしれない。
私はUKのガールズグループといえば、青春時代のアイドルEternal、忘れちゃいけないSpice Girls、最近だとLittle Mixという感じなんだけど、こうして並べてみるとみんなダンスポップグループなんだよね。実はブラックミュージック系のグループがあまりいなかった。All Saintsとかもそうだよね。
3人がそれぞれのルーツの中でUSのブラックミュージックに出会って、その音楽性を花開かせたのが2022年のUK、ってすごく面白いなぁと。プロデューシングチームの手腕も大きいんだと思うし、世界の音楽がクロスオーバーする今の時代だからこそ登場したグループなのかもしれないな。
そんなわけでとにかく好きなガールズR&B曲を貼る
まずはSWV。「#RnBVibes」に「Right Here」が入ってたけど、私はやっぱり「Weak」が大好き。時代を超えた名曲だし、このメロウな感じはFLOに繋がってるかも。あー、「Use Your Heart」とかも良いんだよなー。
90年代のマライア・キャリーは割とR&B寄りなアプローチが多かったなと思うんだけど、そんな彼女がプロデュースした知る人ぞ知るガールグループ、Allure(アルーア)のデビュー曲がこの「Head Over Heels」。同時代のマライアの代表曲「Honey」や「Butterfly」に通じる心地よいサウンドがお気に入りだったなー。
ジャネイめっちゃ好きだった…
中〜高校生の頃リアルに流行ってたR&Bがジャネイやメアリー・J・ブライジとかで、ラジオっ子だった私はよく耳にしていた。多感な頃に耳にしてた音楽ってやっぱりその後の人生でも大切な曲として残っていくよね。
あとUK発のグループのR&Bフレーバー曲もぜひ。Think About Meは昔アムロちゃんが出てた化粧品のCMソングだったな。あとダンスやってた頃、大好きすぎてこの曲で踊りたい!って持っていってみんなで振り付け作ったりした。
「ジャンル」が溶け合いつつある中で、とても新鮮な純R&B
最近聴いていいなって感じるアーティストって、みんな「ジャンル」で括るのが難しいなって思ってて。The 1975も、MICHELLEも、NewJeansもそうだしね。もうジャンルっていうものが溶けて無くなりつつあるのかもしれない。みんなクロスオーバーしてるというか。日本のアーティストもそういう人たちが増えてる気がする、King Gnuとかロックには括れないもんね。
そんな中で久々にこれぞ!R&B!っていう純度の高い音楽を聴けたのは新鮮だったなぁ(純度が高いってことで言うと何度も言ってるカルヴィン・ハリスのアルバムも最高です)。
あとはやっぱり先人たちへの愛とリスペクトを感じるっていうか。それがアーティストプレイリストからも感じたんだよね。3人それぞれのフェイバリットも興味深いし、マイケルとかも当然入ってるし、The Internetとかも入ってるのよ。そんな諸先輩型のDNAを受け継ぎながら、FLOという2022年のグループにつながっていくのが面白い。文化ってこうやって混ざり合いながら今の形を作っているんだなぁというね。
そんなわけでFLO、これからも要注目です。